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自衛隊用語集

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目次

アクセス権

 陸自指揮システム等に対して、システムヘの加入、データの入力、検索、更 新、出力等を行うことが可能な権利のことをいう。  アクセス権は、ファイルの漏えい・改ざん、システムの破壊等の不正使用の 防止を考慮して設定される。

暗号保全

⇒『通信保全』参照

安全管理(safety management)

人的・物的戦闘力の維持・活用に寄与するため、災害事故の原因を合理的に 除去する一連の行為をいう。

安全基準

⇒『保有基準』参照

維持補給所要

⇒『補給所要』参照

一夜行程

⇒『半夜行程』参照

一括割当補給

特定の部隊に対し、特定の期間又は特定の作戦に応ずる補給品の全部又は大部分を、あらかじめ一括割り当てて、努めて作戦開始前にこれを交付し、これによりその期間又はその作戦を終始させる場合の補給をいう。

移動加入無線

⇒『野外通信組織』参照

移動観測所(MbWx)〔航空〕(mobile weather)

気象情報の作成又は飛行援助のため、気象解析上の要点又は主要飛行経路に沿った所要の地点に、短期間臨機に開設する航空気象の観測所をいう。

移動(輸送)所要

移動所要(movement requirements)

作戦遂行のための時期別、場所別の部隊、補給品等の移動の必要量をいう。

輸送所要(transportation requirements)

移動所要のうち、輸送機関を使用して移動させることが必要な量をいう。

移動の統制(movement control)

 部隊、補給品等を作戦上の要求に応じて効率的かつ整斉と移動させるため、 作戦構想に基づき、部隊移動、部隊、補給品等の輸送及び交通路使用について 統制することをいう。

部隊移動の統制(troop movement control)

効率的かつ整斉とした部隊移動を行うため、部隊区分、移動の順序、移動手段、目標、移動の開始及び終了の時期、警戒処置、経路等について統制することをいう。

輸送の統制(transportation regulation)

 部隊、補給品等を効率的かつ整斉と輸送するため、輸送所要の決定、輸送の割当て、輸送の優先順位、運行等を統制することをいう。

交通路使用の統制(transit route use regulation)

円滑かつ効率的な移動の流れを確保するため、移動に使う陸路、水路及び空路について、一般に経路、方向、時間等を規制することをいう。部隊が行う交通路使用の統制は、道路使用の統制が主体である。

(1)道路使用の統制(highway regulation)

通行上の競合及び混雑を避け、作戦上の要求に即応して道路を最も有効に使用し、円滑な通行の流れを確保するため、一般に通行の経路、方向、時間等を規制するとともに、通行の状況に応じてこれを統制することをい う。

(2)道路使用計画(highway utilization plan)

 道路を最も有効に使用し、円滑な通行の流れを確保するため、道路交通を規制し、統制の準拠を付与する計画であり、道路の状況、通行の量・質等を考慮して、使用する道路を定め、それぞれの移動方向、通行車両の種類、速度の制限、通行の優先順位、灯火使用の制限等の通行上の諸制限を明らかにしたものである。

ア 道路交通規制(所)(highway traffic regulation)

道路の最も効率的な使用を図るため、通行の方向、通行部隊、通行時間、通行車両の種類・速度、灯火の使用等を規制することをいう。道路使用計画及び道路交通規制所を通じて規制を行う。

道路交通規制所(TRP)は、道路交通規制を行う施設をいい、完全管制道路その他の混雑を予想される地点に配置される。

イ 道路交通規制(highway traffic control)

円滑な交通の流れを確保するため、道路使用計画に準拠し、警務哨所・警務巡察等をもって実施する通行の整理、誘導、道路交通情報の提供、法規・命令に対する違反の予防及び交通の取締りをいう。

威力偵察(reconnaissance in force)

敵の勢力・編組及び配置を暴露させるとともに、その反応を見るために行う限定目標の攻撃による偵察をいう。

隠語(code word)

 通信文の内容を秘匿するため、通信文全部又はその文中の文字、語句をそれとは異なる文又は語で表したものをいう。

隠蔽(掩蔽)

隠蔽(concealment)

部隊、施設、器資材等の所在及びその移動・活動状況を空地の敵から見えないようにすること又はその状態をいう。

掩蔽(cover)

部隊、施設、器資材等を地形又は人工物により空地の敵火又は放射線から防護すること又はその状態をいう。

迂回(turning movement)

敵の準備しない地域において決戦を求めてこれを撃滅するため、敵の準備した地域を避けてその後方に進出する攻撃機動の方式をいう。

衛生(medical and sanitary affairs)

個人の健康を良好に維持し、傷病者を治療・後送して、部隊の人的戦闘力を維持・増進するとともに、部隊の係累を除去する機能をいう。その業務には、治療・後送、健康管理、防疫等及び衛生資材等の補給、整備、回収等からなる。

役務

⇒『労務・役務』参照

遠隔支援射撃〔海上自衛隊〕

⇒『対地射撃』参照

沿岸射撃〔海上自衛隊〕

⇒『対地射撃』参照

沿岸部(内陸部)

沿岸部

 対着上陸作戦において用いる場合に、「内陸部」に対応する地域として、汀(てい)線の前後付近からおおむね海岸堡の設定を可能とする程度の縦深があり、かつ、地形区画を有する一連(又は一帯)の地域をいう。

内陸部

「沿岸部」と対応する地域として、沿岸部から更に内陸の地域をいう。

掩護部隊(CF)(covering force)

 接敵機動、攻撃、防御等において主力の前方を広地域にわたり行動し、主力の行動の自由と安全を確保するため、敵情、地形等の解明及び敵の拘束、遅滞等を行う警戒部隊をいい、通常、作戦部隊指揮官が配置する。

円陣防御(perimeter defense)

 あらゆる方向から同時に指向される敵の攻撃に対処できるように、おおむね円形の戦闘陣地に部隊を配置する防御をいう。

掩蔽

⇒『隠蔽』参照

煙幕(Smk)(smoke)

 敵の監視・観測、射撃及び行動を妨害し、あるいは我が勢力、配置、行動等を秘匿・欺騙するための人工的な煙をいう。

地域煙幕(blanketing (area) smoke)

我が部隊、施設等を空地の敵に対し隠蔽するため、これらの地域を覆うように構成する煙幕をいい、煙の濃度によって、さらに、もや状煙幕と濃霧状煙幕に分けられる。

「もや状煙幕」は、煙内でおおむぬ100~200メートルの距離にある人員及び車両を認めることができる濃度の煙幕をいう。

「濃霧状煙幕」は、もや状煙幕以上の濃度の煙幕をいう。

遮断煙幕(screening smoke)

主として地上の敵に対し、我が行動を隠蔽するように彼我の中間にカーテン状に構成する煙幕をいう。

目つぶし煙幕(obscuration smoke)

敵の地上からの監視・観測及び行動を妨害するため、敵を包むように構成する煙幕をいう。

応急治療

⇒『治療業務』参照

応急(周密)渡河

応急渡河(hasty river crossing)

河川に向かう前進間に渡河準備を整え、各部隊に統制を分権し、近岸に停止することなく迅速に実施する渡河攻撃の方式をいう。

周密渡河(deliberate river crossing)

近岸を占領して周密な準備を整え、集権的な統制の下に総合戦闘力を発揮して、敵の組織的な抵抗を排除しつつ強行する渡河攻撃の方式をいう。

押収金(confiscated money)

捕虜に関するジュネープ条約に規定する、捕虜から押収した現金等(有価証券、軍票を含む。)をいう。

横走(縦走)地形

横走地形(cross-compartment)

地形区画の一種であって、稜線及び水系の一般方向が、その部隊の移動方向に直交又は斜交する地形をいう。

2 縦走地形(corridor)

地形区画の一種であって、稜線及び水系の一般方向が、部隊の移動方向に並行している地形をいう。

汚染(Con)contamination)

放射性物質、有毒化学剤又は生物剤が人員、装備品、施設、土壌等に付着し、又は空(水)中に浮遊している状態をいう。 ⇒『除染』参照

海岸堡(Bhd)(beachhead(bhd))

着上陸する部隊が、じ後の行動のため、又は着上陸によって限定した目的を達成するため、上陸地域、降着地域等の要点を連ねて確保する地或をいう。
 1 部隊の収容・展開が可能な地積を有し、数個の上陸地域及び降着地域を 含む地域である。
 2 通常、港湾及び飛行場を内包する。
 3 渡河攻撃と同様な段階により設定する。
 4 海岸堡の規模は、着上陸する部隊の規模によって異なる。

会計機関(financial organization)

会計事務を取り扱うため、会計法規に基づき設けられる国の機関をいい、方面隊以下における会計機関には、資金前渡官吏、契約担当官、収入官吏、歳入歳出外現金出納官吏、出納員等がある。

回収(回収所)

回収(Salv,Recov)(salvage,recovery)

使用不能品、遺棄品、その他の装備品等を再利用するため、収集、後送、選別、分類及び処理する機能をいう。

回収所(Coll)(collecting station)

回収のうち、選別、分類及び処理の機能を行う施設のことをいう。

海上作戦輸送〔海上自衛隊〕(tactical sea transportation)

作戦上の要求に基づき、陸上・海上・航空自衛隊の部隊、装備品等を、海上自衛隊の任務部隊をもって、味方の支配下にある海岸又は港湾に海上輸送する ことをいう。

海上作戦輸送による上陸作戦

海上、航空部隊等をもって我の上陸に影響を及ぼす敵部隊を制圧して無力化する等、部隊が安全に海岸又は港湾に上陸できる条件を確実に作為した後、部隊、装備品等を海上輸送して海岸又は港湾に上陸する作戦をいう。

回線(communication channel,circuit)

2以上の地点相互を結んだ端末の機器の機能を合む通信の伝送路をいい、 1以上のチャネルからなる。

外線(内線)作戦

1 外線作戦(exterior operation)

敵に対し、我が後方連絡線を外方に保持して、数方向から求心的に行う作 戦をいう。

2 内線作戦(interior operation)

数方向の外方から求心的に我に向かって作戦を行う敵に対し、我が後方連絡線を内方に保持して行う作戦をいう。

回線所要(circuit requirement)

2地点間の通信に必要な回線の種類、質及び容量をいう。

回線の統制(circuit technical control)

回線を運用上の要求及び技術上の要求に適応させて効率的に構成・維持するため、指揮下部隊の構成する回線について統制することをいう。

改造(modification)

使用目的又は基本的性能を変更することなく、器材等の性能、安全性の増進、操作及び整備の容易又は耐用命数の延長を図るため一部の設計、組立、構造又は機能等を変更することをいう。

化学剤(chemical agent)

有毒化学剤、無傷害化学剤及び対植物化学剤を総称していう。

化学武器(化学兵器)(chemical weapon)

有毒化学剤又はこれを充填した砲爆弾等をいう。「化学兵器」ともいう。

確認点(checkpoint)

部隊の行動等を容易にするため、行動地帯又は担任区域に示す参照のための地点をいう。

我部隊の配置・行動等についての報告・通報、命令等において使用する。

核武器(核兵器)(nuclear weapons)

核反応によって生じるエネルギーを殺傷及び破壊に使用する砲爆弾等をいう。「核兵器」ともいう。

過剰作業〔整備〕(over-flow work)

自己の担任すべき整備段階区分内における整備作業量のうち、その能力を超過する分をいう。

画像通信

映像電送及び模写電送の通信を総称していう。前者は動画像及び静止画像を伝送する通信であり、後者は文章、図表、図画、写真等を伝送する通信である。

各個防護

⇒『部隊防護』参照

可動率

ある時点又は期間内において、使用可能な部隊等の人員及び装備品の総数に対する比率をいう。

火カ(firepower)

敵を直接殺傷及び破壊するとともに、敵の統制ある行動を妨害し、また、我が機動を促進する火器の威力をいう。

火力の発揮される領域の違いにより、対地火力、対空火力及び対海上火力に区分される。

火力協力(fire support)

火力戦闘部隊が、火力により近接戦闘部隊の戦闘に協力することをいう。

火力集中群(group of targets)

戦術的に関係ある地域を火制するため、 2個以上の火力集中点を一括したものをいい、文字と数字の組合せで示す。

火力集中団(series of targets)

戦闘の重要な段階において、ある地域を火制するため、多数の火力集中点及び火力集中群を一括したものをいい、秘匿名で示す。

火力集中点(concentration)

火力の指向を準備する地点又は目標をいい、符番号で示す。

火力戦闘部隊(fire unit)

火力戦闘により、敵戦闘力を撃破・減殺すること及び近接戦闘部隊に直接・間接的に協力することを主任務とする部隊をいう。

火力調整(火力調整所、火力調整者)

1 火力調整(fire support coordination)

主要な火力を近接戦闘部隊の戦闘に密接に連携させるとともに、最も効率的に運用するために行う調整をいう。

2 火力調整所(FSCC)(fire support coordination center)

火力調整を行うため、作戦部隊指揮官、第一線連隊長等が、その指揮所内に設ける施設をいう。

3 火力調整者(FSC)(fire support coordinator(FSCOORD))

火力調整に関し、作戦部隊指揮官又は被直協部隊指揮官を補佐する者をいう。

火力調整手段

一定の期間、作戦・戦闘地域において火力の迅速な調整を容易にするとともに、我が火力による危害を要望するために設定し、火力効果の増大のために火力発揮を促進する手段と、危害予防等のために火力発揮を制限する手段に区分される。

1 火力発揮を促進する手段

(1) 射撃調整線(CFL)(coordinated fire line)

この線以遠の火力の発揮を増大させるとともに、我の火力戦闘部隊の射撃から第一線部隊の安全を確保するために設ける線をいい、直協任務の野戦特科部隊指揮官が被協力部隊指揮官の承認を得て設定する。

すべての部隊は、この線以遠の目標に対して自由に射撃することができるが、この線以内の射撃については、直協任務の野戦特科部隊及び被協力部隊以外の部隊は、直協任務の野戦特科部隊長の承認を必要とする。

(2) 火力調整線(FSCL)(fire support coordination line)

この線以遠の航空火力等の発揮を増大させるとともに、我の航空攻撃等から部隊の安全を確保するために設けられる線をいい、作戦部隊指揮官が航空部隊指揮官と調整して設定する。

航空部隊等は、この線以遠の目標に対しては自由に攻撃できるが、この線以内の航空攻撃等は陸上部隊の要請又は承認を必要とする。実施に当たっては、通常、前線航空統制官の統制を受ける必要がある。

(3) 射撃自由地域(FFA)(free fire area)

火力調整線以内において、火力発揮を増大させるとともに、我の航空機の爆弾投下を容易にするために設ける地域をいい、作戦部隊指揮官が設定する。

すべての部隊は、この地域内に自由に射撃することができる。

2 火力発揮を制限する手段

(1) 射撃制限線(RFL)(restrictive fire line)

空挺・ヘリボン部隊と、これとの提携を企図する部隊との間又は錯そうしている部隊相互間の妨害を防止するために設ける線をいい、関係部隊に共通の指揮官の統制に基づき、関係部隊指揮官が調整して設定する。

関係する相互の部隊は、この線の反対側に対しては調整することなく射撃してはならない。

(2) 射撃制限地域(RFA)(restrictive fire area)

地域内の射撃に特定の制限を加えて、我の地上部隊に対する危害を防止するために設ける地域をいい、作戦部隊指揮官が設定する。

この地域への制限を超える射撃は、設定した作戦部隊指揮官との調整を必要とする。

(3) 射撃禁止地域(NFA)(no fire area)

住民避難地域、病院、敵中の我が拠点等が我の射撃によって被害を受けないようにするために設ける地域をいい、作戦部隊指揮官が設定する。

すべての部隊は、この地域内に射撃してはならない。

(4) 射撃禁止空域(ACA)(airspace coordination area)

我の地上射撃から我の航空機の安全を確保するため、目標地域内に設ける空域をいい、作戦部隊指揮官が航空部隊指揮官と調整して設定する。

すべての部隊は、この空域内に射撃してはならない。

火力調整線(FSCL)

⇒『火力調整手段』参照

火力の編成(organization of fires)

火力を有効に発揮するため、各種火器の射撃を組織化することをいう。

火力優先(priority of fires)

火力運用において、特定の部隊又は正面に対する火力の配分及び指向を優先することをいう。

環境衛生(environmental sanitation)

個人及び部隊のおかれている環境を良好な状態に維持・改善する健康管理の機能をいう。その主な業務には、施設、被服、糧食等の衛生監視指導、技術的検査等に関するものがある。

監察(inspection)

部隊等の実情を把握することにより、隊務の正常な運営を阻害する諸要因を探求し、その改善施策の推進を図ることを目的として、部隊等を観察、調査する機能及びその行為をいう。

監視(surveillance)

情報資料収集のため、目視、写真、電子装置等により継続的に敵情を察知して、情報資料を入手する手段をいう。

⇒『偵察』参照

監視警戒部隊

防御において、主戦闘地域の警戒を補備し、あるいは機動打撃の好機の作為に寄与するために使用する警戒部隊をいう。

監視警戒部隊は、戦闘陣地間の間隙又はその前方、側方等に配置されてこれを閉塞し、斥候、巡察等の支援後拠となり、敵の攻撃の警告、我が陣地の秘匿・欺騙、可能であれば敵の誘致導入等に任ずる。

患者規制(medical regulation)

円滑な患者の後送を実施するため、各衛生施設間の患者の後送を規制することをいい、その主な業務としては、後送の優先順位の決定、後送手段の割当て、病院等への患者配分等がある。

患者集合所(patient collecting station)

後送中の患者及び後送のため待機中の患者に、所要の処置(応急治療、休養等)を行うため、飛行場、港湾、鉄道端末地等、後送経路上の要点に開設する衛生施設をいう。

患者集合点(PCP)(patient collecting point)

中隊等地域に発生した患者を、効率的に連隊、大隊等の収容所に収客するため設ける患者の集合場所をいう。

管制道路(完全管制道路、公開道路)

使用する道路は、統制の程度に応じて、公開道路、管制道路及び完全管制道路に区分される

1 管制道路(SR)(supervised road)

通行の方向、時期、車種等について、所要の規制を行う道路をいう。

通行部隊等は、状況により、事前に行進表等を提出して作戦区域を担任する部隊指揮官の許可を受けることが必要な場合がある。

2 完全管制道路(DR)(dispatch road)

管制道路で行う規制に加えて、道路使用上の優先順位の決定、通行の時間統制等高度の規制を行う道路をいう。すべての通行部隊等は、事前に許可を受けることが必要である。

3 公開道路(open road)

道路使用上の制約のない道路をいい、各部隊は、自由に通行できる。

間接侵略

⇒『直接侵略』参照

完全管制道路

⇒『管制道路』参照

観測(Obsn)(observation)

敵情、地形、気象、射弾等を観察・測定することをいう。ただし、「射弾の観測」には修正を含む。

管理(administration,management)

人、物、金、時間、場所等を効率的に使用して任務を達成する行為をいい、管理には、計画、組織、指令、調整、統制等の諸機能があり、一般に計画―実施―分析・検討の各過程を通じて行われる。

機械化部隊(mechanized unit)

 1 装甲車化された部隊を一般的に総称する場合に用いる。
 2 装甲車等によって全部隊同時に移動できる普通科部隊が、戦闘力の主体となる部隊をいう。

機外搭載(externally mounted)

懸吊用器材をもって、航空機の外部に貸物等を懸吊する搭載方法及びその状態をいう。

偽工事

敵を欺編するため、単体又は各種の偽構築物をもって構成する工事をいう。

機甲部隊(armored unit)

戦車部隊が戦闘力の主体となる装甲・車両化された部隊をいう。

器材(equipment)

装備品のうち、車両、火器、誘導武器及び航空機を除いたものであり、装置、機械、器具、工具、用具等をいう。

技術情報(technical intelligence)

戦略情報及び作戦情報のうち、技術に関する情報をいう。その内客は、軍事目的に使用されているか、あるいは将来使用される可能性のある装備品等の性能及び運用上の能力並びに技術開発の状況及び生産に関するものである。

気象(weather)

 1 気温、温度、風、雲、霧、降水、明度資料、磁気現象、波浪、朝夕(せき)、潮流、地震等必要な天文、海象及び太陽の活動、空界等を含む電磁波に開する現象等の総称をいう。
 2 一般には、地球大気の状態とその中に起こる諸現象をいう。
 その任意の時刻における状態を「天気」、ある短期間の状態を「天候」、永年の平均の状態を「気象」という。

偽信(imitative electronic deception)

敵の通信機関を装い、敵と直接交信してこれを欺騙する通信をいう。

偽陣地(imitative position)

敵を欺騙する目的をもって構築する陣地をいう。偽陣地は、偽工事と真工事とをもって構成する。

規制品目(regulated item)

作戦遂行上重要な装備品等のうち、供給の不足する品目、高価な品目、取扱いに高度の技術を必要とする品目等をいい、交付及び処分は指揮系統を通じて統制される。

既設通信施設

自衛隊、公共団体、民間団体等によって既に設置されている通信施設をいう。通信組織についていう場合は、「既設通信組織」という。

偽装(camouflage)

人員、武器、弾薬、器資材、施設等の存在あるいはその実体を隠すか、目立たないようにすることをいう。

基礎配置(basic disposition)

防衛作戦の本格的準備の開始に伴い、予想する敵の脅威に対して柔軟に対応し、随時、じ後の作戦に移行できるような部隊の配置をいう。

基地通信組織(base communication system)

駐屯地、分屯地に所在する部隊等が使用する通信のため、平素から固定的に構成された通信組織をいい、基地通信部隊等が構成、維持及び運営を担任する。
⇒『野外通信組織』参照

基地兵站

⇒『部隊兵站』参照

機動(maneuver)

敵に対して有利な態勢を占めるために部隊が移動することをいう。

機動は、その目的によって戦略機動と戦術機動に区分され、さらに、戦術機動は、接敵機動と戦場機動に区分される。

機動打撃(maneuver striking)

防勢等において、敵部隊を撃破するため、機動力と火力による衝撃力を発揮して行う攻撃行動をいう。

 参考 従来、防御においては、逆襲を含めて機動打撃ということがあるとされていたが、目的の相違から、機動打撃と逆襲は区分して使用する。

機動に任ずる部隊(maneuvering force)

機動を伴って任務を遂行する近接戦闘部隊の総称をいう。

一般に、陣地攻撃及び遭遇戦における第一戦部隊、追撃における迂回に任ずる部隊及び直接圧迫に任ずる部隊、防御等における逆襲及び機動打撃部隊等が含まれる。

欺騙(欺騙行動)(deception(operation))

欺騙とは、一般に敵に我が行動、配置、能力、企図等を誤認させ、だますことをいう。

欺騙行動とは、欺騙の目的をもって行う部隊の行動をいう。

逆襲(counterattack)

防御において、陣地を奪回するために行う攻撃行動をいう。

救急処置

⇒『治療業務』参照

強行進(forced march)

部隊の目的地への到着を早めるための行進をいい、行進時間を増加するか、又は行進速度を増大することにより行う。

強行補給(強行輸送)

敵の妨害を排除して実施する補給(輸送)をいう。

行政損耗

⇒『戦闘損耗』参照

協同(cooperation)

ある特定の共通目的達成のため、指揮関係のない2以上の部隊が相互に協力することをいう。
 参考 日米共同作戦に関しては「共同」の語を用いる。

橋頭堡(Brhd)(bridgehead)

渡河攻撃において、渡河部隊がじ後の作戦に必要な地歩を確立するため、遠岸に確保する地域をいい、第1次目標線から第3次目標線までの占領の段階をもって設定される。

状況により、第2次目標線の占領をもって橋頭堡を完了する場合がある。

業務指令

幕僚が、指揮官の定めるところにより、それぞれの幕僚の所掌に直接関係のある次下級部隊等の部隊運用の細部及び業務運営の細部について、指揮官名をもって示す命令の一種をいう。

共用通信所

⇒『野外通信組織』参照

局地逆襲

⇒『主逆襲』参照

局地警戒(local security)

防御において、主戦闘地域の第一線中隊等が、その陣地の直前において実施する警戒をいう。

局地障害

⇒『障害』参照

拠点(strongpoint)

 1 四周に対して独立的に戦闘できるように編成された固守すべき陣地をいう。
 2 機動防御において、機動打撃を容易にするために、独立的に戦闘できるように編成された戦闘陣地をいう。
 3 偵察、障害の処理、襲撃等の根拠となる場所(所要の施設を含む。)をいう。

拒否行動(denial operation)

戦略的又は戦術的価値のある資源、施設及び地域が敵に利用されることを妨げるために行う撤去、破壊又は障害の設置等の諸行動をいう。

許容被ばく線量(acceptable dose)

放射能汚染地域を行動する部隊に対して、一定期間内に個人が受けることを許される放射線の線量をいい、連・大隊以上の指揮官が、任務及び過去の被ばく放射線量を考慮して設定する。

規律(military discipline)

法、命令、規則、公共の秩序、良俗等集団活動を秩序づける規範を背景とした部隊等における命令服従の状態をいう。

また、前述の規範を指す場合もある。部隊の規律を「隊規」という。

緊急火力集中

戦闘に重大な影響を与える目標を緊急に制圧するため、射撃可能な全特科部隊をもって、師団以上において実施する集中射撃をいう。

緊急火力集中の発令権者は、作戦部隊指揮官である。

緊急破棄(emergency destruction)

装備品等が敵手に入ることを防止するため、戦況上やむを得ず、かつ、他に方法がない場合に、破壊、焼却、埋没、隠匿等の処置を行うことをいう。

緊急要請〔航空支援〕

⇒『計画要請』参照

近接航空支援

⇒『空地作戦』参照

近接支援射撃〔海上自衛隊〕

⇒『対地射撃』参照

近接戦闘(close combat)

敵と直接的に地上接触して戦闘力を行使することをいう。

近接戦闘部隊(close combat force)

敵と直接的に地上接触して戦闘することを主任務とする部隊をいう。 攻撃においては機動に任ずる部隊等、防御においては主戦闘地域守備部隊、機動打撃部隊等をいう。

緊要地形(key terrain,critical terrain)

これを支配又は占領することにより、彼我の戦術行動に決定的な影響を与える地形をいう。

空域統制(空域統制班、空域統制者)

1 空域統制(airspace command and control)

航空部隊、航空科部隊、高射特科部隊、野戦特科部隊等が相互に妨害することなく、それぞれの活動を適切かつ安全に実施するために行う統制及び調整をいい、作戦部隊指揮官が航空部隊等との協定に基づき空域を使用する部隊の行動を統制する。

2 空域統制班(army airspace command and control element)

作戦部隊指揮官が主指揮所内に設ける組織をいい、空域統制に関し火力調整所、対空戦調整所及び飛行統制所を通じて必要な統制を行う。

3 空域統制者(army airspace command and control officer)

空域統制について作戦部隊指揮官を補佐する者をいい、通常、方面隊にあっては防衛部長又は、その命ずる者、師団・旅団にあっては第3部長をいう。

空実交換

燃料の受領又は交付に当たり、請求書を使用することなく、空缶と実缶とを交換することをいう。

空地作戦(air-ground operation)

陸上作戦を有利に導くため、陸上自衛隊の部隊と航空自衛隊の部隊が組織的連携の下に協同して行う作戦をいい、近接航空支援、戦場航空阻止及び陸上作戦に関係ある航空偵察に区分される。

1 近接航空支援(CAS)(close air support)

陸上部隊の要請に基づき、陸上部隊と交戦中又は直接対峙している敵陸上兵力等に航空攻撃を加え、陸上部隊の作戦を支援する作戦をいう。

2 戦場航空阻止(BAI)(battlefield air interdiction)

陸上部隊の要請に基づいて侵攻する敵戦力に航空攻撃を加え、戦力発揮に至る以前に撃破し、又は後方連絡線を遮断する等により、敵の侵攻を阻止し、若しくは敵の前線部隊の戦力を弱体化させる作戦をいう。

⇒『航空阻止〔航空自衛隊〕』参照

空中回廊(alr corridor)

航空機が味方からの射撃又は味方航空機の妨害を受けることなく、目的空域に出入りできるように設けられた空中の経路をいう。

空中機動作戦(airmobile operation)

空挺作戦及びヘリボン作戦の総称をいい、作戦準備、空中機動、降着戦闘からなり、じ後の地上作戦に移行する以前の作戦をいう。

空中目標情報(air target information)

対空火力の指向のため必要な、空中にある航空機等の位置、識別、機種、機数、高度、航速等に開する情報をいう。

空中離脱(aerial withdrawal)

敵が直接支配しているか、又はその脅威を受けている地域から航空機により離脱することをいう。

空挺攻撃(airborne assault)

空挺部隊が降着し、通常、空挺堡を占領して、じ後の地上作戦の態勢を確立するために行う攻撃をいう。

空挺作戦(airborne operation)

陸上部隊が航空部隊と協力して航空機によって空中を機動し、敵が直接支配しているか、又はその脅威を受けている地域に降下又は着陸し、通常、空挺堡を設定してじ後の地上作戦に移行する以前の作戦をいう。

空挺作戦部隊(Abn Opn)(airborne force)

空挺作戦に参加する陸上部隊及び航空部隊をいう。

空挺部隊(Abn)(airborne units)

空挺作戦を行うため編成、訓練された陸上部隊をいう。

空挺堡(Ahd)(airhead(ahd))

空挺部隊が降着後、じ後の地上作戦の態勢を確立するため確保する地域をいう。

組替整備(英語)

故障装備品の部品等が、修理不能又は入手困難のとき、他の複数の要整備装備品のうち、いずれかの部品等を使用して整備することをいう。

警戒(security)

敵の奇襲を防止するとともに、敵に対し我が状況を秘匿し、敵の情報・謀略活動の効果を無効化することにより、部隊主力の安全及び行動の自由の確保に資することをいう。

計画射撃(planned fire)

目標に対し、あらかじめ準備した射撃をいい、計画表射撃と計画要求射撃とがある。計画表射撃は、射撃時間表あるいは射撃予定表等で計画して実施する射撃であり、計画要求射撃は、単に地点あるいは目標のみを計画し、要求に基づいて実施する射撃である。

計画(緊急)要請〔航空支援〕

1 計画要請(preplanned mission request)

空地作戦において、陸上部隊が近接航空支援を航空部隊に要請する場合のうち、あらかじめ計画した任務の要請をいう。

2 緊急要請(immediate mission request)

空地作戦において、陸上部隊が近接航空支援を航空部隊に要請する場合のうち、計画要請以外の緊急の要請をいう。

経空攻撃対処

敵の航空攻撃及びミサイル攻撃による経空攻撃事態が単独で生起した場合に、海上・航空部隊等と連携して敵航空機等を撃墜するとともに、攻撃による被害を局限して、事態を収拾する作戦をいう。

警護(guard)

 1 人、物件若しくは施設等に対する敵又は我が作戦行動を妨害する勢力の直接侵害行為を防止及び排除するために行う警戒・防護をいう。
 2 自衛隊法第95条においては、自衛隊の保有する武器、弾薬等の破壊、奪取、その他悪用等を防止するために行う警戒・防護をいう。

警告(warning)

1 警戒及び対応行動のため、脅威の存在を知らせることをいう。
2 犯罪の予防又は危害からの避難等のため、関係者に対し、注意、勧告、説諭及び指示を行うことをいう。

継戦基盤

国土防衛戦を継続するための国力をいい、防衛作戦の遂行に必要を人的・物的戦闘力を確保して発揮する能力をいう。

広義には、国民生活を維持して民生を安定するために必要な諸環境を整備・確保する能力を含めることがある。

警備

遊撃活動、間接侵略事態等に対し、作戦地域を警戒・防護して地域の安定・確保を図る行動をいう。

警備区域(defense district)

自衛隊法施行令に示された方面隊の区域であり、方面隊が警備実施計画の作成、警備地誌の調査及び作成若しくは警備情報の収集又はこれらの事項についての関係機関との連絡に関する事項を担当すべき区域をいう。

警報(warning signal)

敵の航空攻撃及び特殊武器による攻撃等に対し、部隊等に対応行動をとらせるため発する命令をいう。

警務(military police)

保安警務及び司法警察業務により、部内の秩序維持を図る機能をいう。

警務運用所(MPS)(military police station)

警務科部隊の機能を総合的に発揮するため設置される施設をいい、兵站基地等の重要地域に開設される。

警務哨所(MPP)(military police post)

警務科部隊の機能を発揮するため最小の業務単位として設置される施設をいい、地域の要点等に開設される。

経理〔会計〕(finance & accounting)

配分された予算の執行に関する業務の総称であり、現地調達における契約・検収・支払、給与・旅費の支払、資金業務、決算等からなる。

撃破(destroy)

部隊が、一定の期間、作戦・戦闘ができない程度、あるいは最小限度にも企図を達成できない程度に、その人的・物的戦関力を低減させることをいう。

撃破〔野戦特科〕

⇒『所望効果』参照

撃滅(overthrowal)

部隊が、じ後の作戦・戦闘が不可能な程度に、その戦闘力を低減させることをいう。

決心(decision)

指揮官が任務達成のため、部隊運用に関する意志を決定すること、又はその内容をいう。

決戦(持久戦)

1 決戦(decisive engagement)

攻防を問わず、飽くまで勝敗の決を求めようとする意志をもって行う作戦・戦闘をいう。

2 持久戦(sustained combat operation)

攻防を問わず、決戦を避けて敵戦闘力の消耗を図り、時間の余裕を獲得し、あるいは戦果を累積して、敵にその企図を放棄させて目的を達成しようとする意志をもって行う作戦・戦闘をいう。

ゲリラ・コマンドウ攻撃対処

敵のゲリラ・コマンドウ攻撃事態が単独で生起した場合に、敵部隊を撃滅するとともに、攻撃による被害を局限して、事態を収拾する作戦をいう。

ゲリラ・コマンドウ攻撃 ゲリラ・コマンドウ部隊が、戦略・戦術目的をもって行う攻撃行動をいい、単独で行う場合と、他の作戦に連携して行う場合がある。

ゲリラ部隊 軍事組織に属さない勢力(不正規軍)

コマンドウ部隊 特別に訓練された兵士により編成された特殊部隊(正規軍)

参考 1 他の作戦に連携して行われるゲリラ・コマンドウ攻撃に対処する行動は、対遊撃戦に含まれる。
   2 非戦闘員に対して行う政治的動機を持ち、かつ、計画的に暴力行動を行う外国の工作員、あるいは国内の親外国勢力又は反政府勢力は、テロリストという。

健康管理(health management care)

個人の心身の機能を正常な状態に維持し、あるいは増進する一連の業務をいう。健康管理の機能には精神衛生、体力衛生、予防衛生及び環境衛生がある。

牽制・抑留(containment,retainment)

牽制とは、我が欲する方面に敵をひき付けるよう行動させることをいい、抑留とは、敵を拘束し、自由な行動をさせないようにすることをいう。

一般には、「牽制・抑留」として使用される。

建設(construction)

作戦遂行に必要な施設及び付帯設備を構築・維持して作戦特に兵站活動に寄与する機能 をいう。

原則(要則、要件、主眼、要訣)

1 原則(principle)

作戦又は戦闘を有利に導くため、必要にして普遍性のあるやり方をいい、古来幾多の戦史、戦例から帰納された基本的なもので、応用、活用の余地が大なるものである。

原理には例外がないが、原則には例外がある。

2 要則(fundamental)

原則のうち、目的達成に必要な考慮事項を総合・抽象化したものをいう。野外令の作戦・戦闘の基盤的機能並びに攻撃、防御、後退行動及び遅滞行動の記述の場等において使用されている。

3 要件(prerequisite)

必要な条件のことをいい、原則等のうち、特定の事項を特に重視して端的に表現する場合に使用する。

4 主眼(main point)

主要なねらいのことをいい、達成すべき目的・目標のねらいを特に強調して、端的に表現する場合に使用する。

5 要訣

一般には、具体的な施策又は指導要領のきめ手、“こつ”となるべき事項であり、主眼を達成する要領のうち最も緊要な事項をいう。

現地調達(local procurement)

方面隊以下の部隊等が後方からの補給によらず、与えられている権限に基づいて現地において自ら調達することをいい、下級部隊の所要を上級部隊がまとめて調達する「統一調達」、下級部隊に自隊の所要を調達させる「部隊調達」とがある。

検問

警戒線を通過するものの中から、敵及び作戦行動阻害勢力、職務離脱者並びに犯罪者を摘出するために設置するもの。

後衛

⇒『前衛』参照

公会交付

⇒『補給所交付』参照

公開道路

⇒『管制道路』参照

航空警戒管制組織〔航空自衝隊〕(aircraft control and warning system(AC&W system))

警戒監視、識別、兵器割当て、要撃管制、航空現況の表示、警報の伝達、友軍機の行動の支援等の機能を有する組織をいい、通常、航空作戦管制所(AOCC)、防空指令所(DC)、防空監視所(SS)、早期警戒管制機等から構成される。

1 航空作戦管制所(AOCC)(air operation control center)

航空総隊司令官が行う作戦指揮のため、全防衛区域における航空現況等を表示するほか、航空総隊作戦指揮所(COC)からの指令等を伝達するとともに、特定事項について、防空指令所(DC)等を統制するところをいう。

2 防空指令所(DC)(direction center)

航空方面隊司令官等が行う戦闘指揮のため、担任防衛区域内における航空現況等を表示し、航空方面隊戦闘指揮所(SOC)からの指令等を伝達するとともに、警戒監視、識別及び、要撃管制を実施するほか、隣接する防空指令所(DC)、戦闘機部隊及び高射部隊と連携を保ち、定められたところにより、防空監視所(SS)等を統制するところをいう。

3 防空監視所(SS)(surveillance station)

防空指令所(DC)の作戦統制を受け、警戒監視を継続し、必要に応じ要撃管制を実施するところをいう。

航空作戦管制所〔航空自衛隊〕

⇒『航空警戒管制組織』参照

航空支援(air support)

陸上部隊が、近接航空支援、戦場航空阻止、航空偵察、航空輸送、救難等に関し航空部隊の協力を受けることをいう。

航空支援統制所(ASOC)(航空自衛隊〕(air support operation center)

航空方面隊司令官の指揮を受け、陸上自衛隊の方面隊主指揮所と行動を共にし、近接航空支援、戦場航空阻止及び航空偵察実施のための調整、助言、計画の作成、航空攻撃機等に対する発進指令・統制等の業務を行う。

航空阻止〔航空自衛隊〕(air interdiction)

侵攻する敵、陸海戦力を戦力発揮に至る以前に撃破し、又は後方連絡線を遮断する等により、敵の侵攻を阻止し、若しくは敵の前線部隊の戦力を弱体化させる行動をいう。

なお、陸上部隊の要請により、陸上戦闘地域その他の関連地域で実施する航空阻止を、特に戦場航空阻止という場合がある。

航空偵察(air reconnaissance)

航空機を利用して目視又はその他の偵察手段によって、敵、地形等に関する情報資料を入手する手段及び行為をいう。

航空部隊(air unit)

一般に航空自衛隊の航空部隊をいう。

なお、陸上自衛隊については、「航空科部隊」という。

海上自衛隊の航空部隊については「海上航空部隊」という。

航空優勢〔航空自衝隊〕(air superiority)

我が航空戦力が空において、敵の航空戦力より優勢であり、敵から大きな妨害を受けることなく諸作戦を実施できる状態をいう。

この優勢の度合いを表すために、次の用語を用いることがある。

 1 全般的航空優勢(空間的な程度を示す。)
 2 局地的航空優勢(空間的な程度を示す。)
 3 長期にわたる航空優勢(時間的な程度を示す。)
 4 一時的航空優勢(時間的な程度を示す。)
 5 絶対的航空優勢(最高の度合いを示す。

航空輸送(airlift)

航空機を使用して着陸又は空中投下により人員、装備品、作戦用資材等を移動させるための行動をいう。

同意語に「空輸」がある。

攻撃(attack)

停止し、後退し、又は我が方に進撃してくる敵に対して、我が積極可動的に進撃する戦術行動をいう。

攻撃開始時期(time of attack)

攻撃において第一線部隊の先頭が、攻撃開始線を通過すべき時刻をいう。

攻撃開始線(LD)(line of departure)

攻撃において機動に任ずる部隊の発進を規制し、火力調整を有効に行うために設ける線をいい、第一線部隊の先頭が攻撃開始時期に通過すべき地線をもって示す。

攻撃時期

攻撃を開始する時期をいい、朝、昼、夕等のように幅のあるものに使用され る。なお、「攻撃開始時期」を指す場合もある。

攻撃準備射撃(preparation fires)

攻撃開始及びじ後の攻撃を容易にするため、攻撃開始に先立って、火力の優越を獲得し、敵の防御組織を破壊するように実施する計画射撃をいう。

攻撃準備破砕射撃(counterpreparation fires)

防御において、敵の攻撃開始に先立ち、敵の組織的な攻撃準備を妨害するために行う計画射撃をいう。

攻撃発起位置(AtP)(attack position)

第一線部隊が攻撃のための最後の準備と調整とを完了する地域をいう。

攻撃部隊(attack force)

 1 その攻撃戦闘に参加する全部隊をいう。これには、第一線部隊だけでなく予備隊、その他の協力・支援諸部隊も含む。
 2 狭義には、第一線部隊及び予備隊をいう。

攻撃方向(direction of attack)

主攻撃又は主力が行動する特定の方向又は経路をいう。

広正面防御(extended defense)

防御の正面が、勢力に比して広大であり、特別な考慮を要する防御をいう。一般に、縦深を犠牲にせざるを得ず、あるいは相互支援が局限される場合が多い。

行進縦隊(march column)

行進における統制を容易にするため設ける行進部隊の区分で、同一の行進経路上を順次に移動する1以上の行進梯隊からなる部隊をいう。

行進図表(march graph)

場所・時間を座標にとり、計画する行進の状態を図表にしたものをいい、行進表の作成、行進の点検等に使用する。

行進速度(rate of march)

行進における小休止を含む一定時間内の平均の速度をいう。

行進単位部隊(march unit)

指揮官の直接指揮により同時に移動及び休止できる行進の基本部隊をいい、通常、中隊又はこれに準ずる部隊をいう。

行進単位部隊は、行進上同一の能力を有する部隊をもって構成する。

行進地帯(zone of march)

行進を行う部隊の行動する区域をいい、通常、部隊の大小に応じ、 1ないし数本の道路を含む特定の正面及び行進目標を含む特定の縦深を有する区域である。

行進長径(RS)(road space)

行進する部隊の先頭から後尾までが、道路上に占める長さ(距離)をいう。

行進梯隊(march serial)

行進における統制を容易にするため設ける行進部隊の区分で、数個の行進単 位部隊からなる部隊をいう。

航進統制(navigational control)

へリボン作戦又は航空輸送において航空機の行動を作戦上の要求に適合させるため、飛行経路、時刻等を統制することをいう。

行進表(march table)

行進のための編成、時間統制等に関する計画を総合し一表としたものをいう。

攻勢(防勢)

1 攻勢(攻勢作戦)(offensive operation)

敵を求めて、これを撃破しようとする積極加動的な形態をいう。この形態をもって行う作戦を「攻勢作戦Jという。

2 防勢(防勢作戦)(defensive operation)

敵の攻勢を破砕する待ち受け的な形態をいう。この形態をもって行う作戦を「防勢作戦Jという。

構想(concept(of operation))

 1 考えの骨組みを簡明にまとめたものをいう。
 2 計画・命令の構想は、指揮官の決心を具体化したものであり、通常、方針、指導要領に区分される。

後送基準〔衛生〕(standards of evacuation procedures)

方面隊の所管する病院施設(部外病院を含む。)外への患者後送の基準として定めるものをいい、方面隊等の病床所要数、後送所要量算定の基礎となるものである。通常、陸上最高司令部が、方面隊に対して設定するもので、患者がその方面隊で病院治療を受けることのできる最大限の日数をもって示す。

後送業務

患者、捕虜、戦没者等、装備品等、回収品等を一地から後方の施設へ輸送する業務をいう。患者後送業務には、輸送間の救護を含む。

後退行動(retrograde operation)

新たな企図に応ずるため、戦闘を中止して敵との接触を解き、敵から遠ざかる防勢的な戦術行動をいう。

降着戦闘

空挺・ヘリボン部隊が、降投下及び着陸を開始してから、じ後の地上作戦のための態勢を確立するまでの段階の戦闘又は集結行動をいう。

降着目標地域

空中機動作戦において、降下地域・着陸地域及び空挺・ヘリボン攻撃の攻撃目標の存在する地域を総称していう。

交通路使用の統制

⇒『移動の統制』参照

行動地帯(zone of action)

各種作戦・戦闘において、横方向に対する部隊の移動を規制してその行動を統制するため、部隊に与えられる地帯をいい、通常、部隊の側方の境界をもってこれを明らかにする。

行動地帯は、機動に任ずる部隊に示されるものであって、野戦特科部隊等の火力戦闘部隊の射撃の範囲、陣地占領又は移動を制限するものではない。

合同通信所(SC)

⇒『野外通信組織』参照

行動方針(course of action)

任務達成のために実行の可能性があり、かつ、戦略的、あるいは戦術的妥当性のある方策をいう。

交付所(交付支所)(DP)(distribution point)

補給品を使用部隊に交付する施設をいい、通常、師団等以下の部隊が開設する。

交付所のほか、所要に応じて築城資材等を現地の集積位置において交付するところを「交付支所」という。

広報(PR)(public relations)

国民の理解と信頼を深めて協力機運を醸成し、人心の安定に寄与するとともに、隊員の士気の高揚等に資するため、彼我の部隊及びその行動に関する事項等を部外及び部内に知らせる機能をいう。

後方支援(combat service support)

作戦部隊に対し、所要の人員、資材、装備、サービス等を提供することをいい、人事及び兵姑支援を合わせ、あるいは更に部外連絡協力、広報及び会計を含めて総称する場合がある。

後方地域

⇒『主戦闘地域』参照

後方連絡線(LOC)(lines of communication)

中央兵站基地及び方面兵站基地の策源と作戦部隊を連接する各種交通路線群をいう。

国土防衛戦

我が国への侵略に対し、国の独立と平和を守るための戦いをいう。

個人補充

⇒『補充』参照

固有識別(authentication)

敵の偽信等に欺かれないため、通信所又は通信文が正当なものであるかどうかを確認することをいう。

通常、「通信所固有識別」と「通信文固有識別」とに分けられる。

固有予備

部隊が常時保有するように編制表その他の定数表によって定められた予備の補給品をいう。

在庫統制(stock control)

補給品を最も効率的に配分するため、配分機構内の各保管位置における在庫量を適正に維持し、交付要求に即応できるように、在庫品を統制する機能をいう。

再生

主品目、主組部品又は組部品を完全に分解して全構成品を検査し、欠陥のある箇所は修理の上、再組立てを実施して、外観、機能、耐用命数等を新品同様な状態に復元することをいう。

再生補給品

再生により、補給品として使用可能な状態にある物品をいう。

最低気象条件(weather minimum)

所望の安全度をもって航空機の飛行及び空挺部隊の降投下を実施するために作戦の都度設定される最低許容限度の気象条件をいう。

再編成(reorganization)

戦闘後の部隊の戦闘力を回復して、じ後の戦闘を準備するため、死傷者の処理、弾薬その他の補給品の補給、補充、編組の変更等を行うことをいう。

策源

国家の兵站的基盤と直結して、作戦部隊の人的・物的戦闘力を維持・増進する源泉となる基地、基地群を含む施設及び地域をいう。

作戦(operation)

 1 一般に、防衛目的を達成するための行動をいい、戦闘をも含めて使用する。
 (2、3の意義と区別するため、努めて「作戦・戦闘」と表現する。)

 2 諸職種連合部隊が、直接侵略事態、間接侵略事態等において、与えられた任務を遂行するための数正面又は1正面における一連の行動をいい、 1ないし数次の戦闘を主体として行われる。

 3 作戦・戦闘全般を律する機能をいい、情報、通信、人事、兵站等の機能の総合化、戦闘力の組織化及び運用等の役割を有する。

参考 旧軍においては、師団以上の部隊の某期間にわたる対敵行動の総称をいった。

作戦規定(SOP)(standing operating procedure)

部隊運用を軽快・機敏にするため、部隊の行動実施上あらかじめ規定しておくのが有利である事項について、その具体的な方法及び手続きを規定したものをいう。

作戦区域

作戦の実施に当たり、任務達成のために作戦部隊に割り当てられる区域をい り。

作戦正面(front of operation)

 1 作戦方向に沿う作戦部隊の正面(横幅と向き)をいう。
 2 作戦部隊の行動する地域全般をいう。

降着目標地域

空中機動作戦において、降下地域・着陸地域及び空挺・ヘリボン攻撃の攻撃目標の存在する地域を総称していう。

交通路使用の統制

⇒移動の統制

行動地帯(zone of action)

各種作戦・戦闘において、横方向に対する部隊の移動を規制してその行動を統制するため、部隊に与えられる地帯をいい、通常、部隊の側方の境界をもっ てこれを明らかにする。行動地帯は、機動に任ずる部隊に示されるものであって、野戦特科部隊等の火力戦闘部隊の射撃の範囲、陣地占領又は移動を制限するものではない。

合同通信所(SC)

⇒野外通信組織

行動方針(course of action)

任務達成のために実行の可能性があり、かつ、戦略的、あるいは戦術的妥当性のある方策をいう。

交付所(交付支所)(DP)(distribution point)

補給品を使用部隊に交付する施設をいい、通常、師団等以下の部隊が開設する。交付所のほか、所要に応じて築城資材等を現地の集積位置において交付するところを交付支所」という。

広報(PR)(public relations)

国民の理解と信頼を深めて協力機運を醸成し、人心の安定に寄与するとともに、隊員の士気の高揚等に資するため、彼我の部隊及びその行動に関する事項等を部外及び部内に知らせる機能をいう。

後方支援(comnbat service support)

作戦部隊に対し、所要の人員、資材、装備 、サービス等を提供することをいい、人事及び兵姑支援を合わせ 、あるいは更に部外連絡協力、広報及び会計を含めて総称する場合がある。

後方地域

⇒主戦闘地域 

後方連絡線(LOC)(lines of communication)

中央兵站基地及び方面兵站基地の策源と作戦部隊を連接する各種交通路線群をいう。 

国土防衛戦

我が国への侵略に対し、国の独立と平和を守るための戦いをいう。 

個人補充

⇒補充 

固有識別(authentication)

敵の偽信等に欺かれないため、通信所又は通信文が正当なものであるかどうかを確認することをいう。通常、「通信所固有識別」と「通信文固有識別」とに分けられる。 

固有予備

部隊が常時保有するように編制表その他の定数表によつて定められた予備の補給品をいう。 

在庫統制(stock control)

補給品を最も効率的に配分するため、配分機構内の各保管位置における在庫量を適正に維持し、交付要求に即応できるように、在庫品を統制する機能をいう。 

再生

主品目、主組部品又は組部品を完全に分解して全構成品を検査し、欠陥のある箇所は修理の上、再組立てを実施して、外観、機能、耐用命数等を新品同様な状態に復元することをいう。 

再生補給品

再生により、補給品として使用可能な状態にある物品をいう。 

最低気象条件(weather minimum)

所望の安全度をもって航空機の飛行及び空挺部隊の降投下を実施するために作戦の都度設定される最低許容限度の気象条件をいう 

再編成(reorganization)

戦闘後の部隊の戦闘力を回復してじ後の戦闘を準備するため、死傷者の処理、弾薬その他の補給品の補給、補充、編組の変更等を行うことをいう。 

策源

国家の兵站的基盤と直結して、作戦部隊の人的・物的戦闘力を維持・増進する源泉となる基地、基地群を含む施設及び地域をいう。 

作戦(operation)

一般に、防衛目的を達成するための行動をいい、戦闘をも含めて使用する。 (2、3の意義と区別するため、努めて「作戦・戦闘」と表現する。)

諸職種連合部隊が、直接侵略事態、間接侵略事態等において、与えられた任務を遂行するための数正面又は1正面における一連の行動をいい、1ないし数次の戦闘を主体として行われる。

作戦・戦闘全般を律する機能をいい、情報、通信、人事、兵站等の機能の総合化、戦闘力の組織化及び運用等の役割を有する。
参考 旧軍においては、師団以上の部隊の某期間にわたる対敵行動の総称をいった。

作戦規定(SOP)(standing operating procedure)

部隊運用を軽快・機敏にするため、部隊の行動実施上あらかじめ規定しておくのが有利である事項について、その具体的な方法及び手続きを規定したものをいう。 

作戦区域

作戦の実施に当たり、任務達成のために作戦部隊に割り当てられる区域をいう。 

作戦正面(front of operation)

作戦方向に沿う作戦部隊の正面(横幅と向き)をいう。 

作戦部隊の行動する地域全般をいう。 

作戦情報(operational intelligence)

作戦又は戦闘に使用する情報をいい、任務達成に影響ある敵、地域等に関するものである。 

作戦・戦闘のための編成(organize for combat)

作戦・戦闘上の要求に基づき、部隊を戦術的な機能に応じて区分し、指揮・統制、支援・脇力等の関係を律することをいう。 

作戦図(operation map)

作戦に関する指揮官の構想、各部隊・施設の配置、行動等を地図、要図、オーバーレイ素材に 図示したものをいう。 

作戦地域(area of operations)

部隊が作戦する概略の地域をいう。 

作戦展開

⇒戦略展開 

作戦統制(operational control )

指揮下にない部隊等を、ある特定の作戦又は行動に関して統制することをいう。 

作戦部隊(operational force)

独立的に作戦を担任できる諸職種連合の部隊をいい、通常、師団及びこれに準ずる部隊以上の部隊である。 

作戦方向(direction of operation)

攻勢作戦及び防勢作戦を通じ、その作戦において、主な戦闘力の指向叉は保持を企図する軸線をいう。 

作戦目的(operational purpose)

作戦によって獲得すべき所望の成果をいい、通常、数次の戦闘の効果的な成果の累積によって達成される。 

作戦目標(operational obiective)

作戦目的を達成するために具体的に達成すべき事項をいう。 

残置部隊(stay-behind force)

後退行動において、一時第一線地域に残置され、主力の離脱を容易にするため企図の秘匿、欺編及び警戌に任ずる部隊をいい、第一線部隊の一部、その他の部隊からなる。 

自衛地雷原

⇒地雷原 

支援(support)

戦闘支援及び人事・兵站支援を主務とする部隊等が、他の部隊等の任務達成に関し定められた事項について援助することをいう。 

海空部隊が陸上部隊に対し、砲爆撃、偵察、輸送等により援助することをいう。

時間間隔(time interval)

行進する車両又は部隊の後尾が、ある地点を通過後、後続の車両又は部隊の先頭が、その地点に到着するまでに要する時間をいう。 

時間長径(TL)(time lengths)

部隊の先頭が、ある地点を通過後、同部隊の後尾がその地点を通過し終わるまでに要する時間をいう。 

指揮(command)

指揮権を与えられた個人が、その権限に基づき部隊、機関又は個人に対し意志を表示し、その意志に従わせることをいう。 

士気(morale)

個人あるいは部隊が進んで任務を遂行しようとする精神状態をいう。 

指揮下部隊(subordinate unit)

ある指揮官の指揮下にあるすべての部隊をいい、隷下部隊及び配属部隊からなる。 

指揮権(right of command(authority))

指揮権は指揮官固有の権限であり、職に伴って個人に与えられる指揮する権限をいう。 

持久作戦

決戦を避けて戦闘力を経済的に使用し、時間の余裕の獲得、牽制・抑留、敵戦闘力の減殺等を図り、作戦全般に寄与する目的をもって行う作戦をいう。 

持久戦

⇒決戦 

資金(inances,funds)

示達・配分された予算に基づいて交付を受け、資金前渡官吏及び出納員が保管する現金(預託金及び預金を含む。)をいう。 

支作戦(支作戦正面)

⇒主作戦 

指針(guideline,guide)

指揮官が幕僚活動を命ずるために、自己の欲する内容あるいは活動の要領等を示すものをいう。 
組織の長が業務等を命ずるために、上記に準じて示すことも含む。 

C?I(command,control,communication and computer intelligence systems)

指揮、統制、通信及び情報の各機能を、電子計算機を括用した情報処理・伝達技術を導入し、指揮中枢を中核として有機的に結合したシステムをいう。 

施設(facilities,installation)

作戦行動及びその支援を行う目的をもって設けた建造物、構築物、これらに附帯する設備及びこれらを含む地域並びにこれらを運営する人員、器材等を総称していう。 
狭義には、単にその建造物、構築物、附帯する設備及びその地域をいう。
特に自衛隊の用に供する土地、土地収用法に掲げる権利及び立木、建物その他土地に定着する物件をいうことがある。

施設通行指導所(ETP)(engineer transport post)

施設科部隊が施設作業を行う場所及び指定された位置に設置する施設をいい、道路交通規制所又は警務哨所及び通行部隊への道路状況の伝達、現地を通過する部隊への指示等、技術上の指導を行って警務科部隊の行う道路交通統制 を援助する。 

施設偵察(engineer reconnaissance)

施設科の技術に関する専門的識能をもって行う偵察をいう。 

事前集積(preposition)

作戦指導上特に必要な場合、あるいは常続的な追送が困難な場合に、支援の継続を図るため、特定の期間に必要な補給品をあらかじめ所要の地域に集積する行為をいう。 

事前集積目標(preposition objective)

陸上最高司令部及び方面隊が主として防衛作戦準備間において、補給品を事前集積する場合に、集積地域ごとに定める計画数量をいい、通常単位部隊当たりの月数又は日数、時として他の単位で表す。 

事前補充(replacement over fill)

欠員の発生前に行う補充員(定員又は充足基準人員数に、認可された補充員の最大保有数を加えた人員数に対する不足人員)の補充をいう。 

支隊(TF)(task force)

通常、主力と離れて特定の作戦任務を、ある期間独立的に遂行するため派遣される部隊をいう。 

指定破壊目標(reserved demolition target)

部隊の撤収、敵の追尾阻止等を確実にするため、作戦部隊指揮官が、主要経路上に指定し、最後まで確保を命じ、破壊の実行を統制する緊要な破壊目標をいう。 

支とう(?) なる地域

防御において、敵の突破を阻止し、また、我が火力の発揮・機動打撃の実施等を容易にするための基盤となる地域をいい、堅固に準備し、かつ、最も強靭な戦間を実施すべき地域である。なお、この見地から攻勢作戦等においても使用されることがある。
参考 「支?点」 (旧軍用語・兵語の解)戦闘の支?たるべき要地(点)をいい、地形地物を利用し、あるいは工事を施し特に設備する。  

指導(guidance)

本来、下級者の権限において処置すべき事項について、これを効率的に実施させるため、上級者が下級者に対し所要の助言等を与えることをいう。 

司法警察業務

犯罪の捜査、被疑者の逮捕等司法警察権に基づく業務をいう。 

射撃禁止空域

⇒火力調整手段 

射撃禁止地域

⇒火力調整手段 

射撃 自由地域

⇒火力調整手段  

射撃制限線

⇒火力調整手段 

射撃制限地域

⇒火力調整手段 

射撃調整線

⇒火力調整手段 

射撃部隊〔機甲部隊〕

機甲部隊の攻撃において、直接照準射撃により第一線部隊の射撃支援に任ずる部隊をいう。 

写真地図(photomap)

航空写真等をはり合わせて作った写真図「モザイク」を修正し、その上に必要な地名、記号(植生、等高線等)等を記入し、地図として用いるものをいう。 

遮断煙幕

⇒煙幕 

遮蔽(defilade)

部隊、施設、器資材等を敵眼及び敵火から秘匿・防護することをいう。 

車両密度(motor density)

ある単位の長さの道路上にある車両数をいい、通常、1キロメートル当たりの車両数で表わす。 

襲撃(raid)

土地を占領・確保する意志がなく、敵の指揮、通信、兵站施設等の破壊、移動妨害、欺騙、擾乱、情報収集等の目的を達成するために行う攻撃行動をいう。 

集結地(Assy)(assembly area)

じ後の行動を準備するため部隊が集結する地域をいい、通常、命令下達、補給、整備等が行われる。「攻撃準備のための集結地」、「離隔ための集結地」等目的を冠して使用する。 

縦走地形

⇒横走地形 

充足基準(replenishment level)

定数の定めのある物品について、人員、経費等を勘案し、当該物品の定数によることなく保有することとされた数量をいう。 
補充業務を行うための統制手段として、部隊に示す基準をいい、その部隊の編制定員に対して充足すべき人員比を百分率で表したものである。

周密渡河

⇒応急渡河 

収容

一般に、目的に応じて、人や部隊等を所定の施設、場所等に移動させ、受け入れることをいい、部隊、住民、患者、遺体等の収容として使用される。
車両等が転落、転覆、損傷、故障等で走行不能状態に陥った場合、自力走行、牽引走行又は運搬できる状態にするため、引き上げ、引起し等を実施することをいう。 

収容所(Med-Sta)(medical station)

師団以下の各部隊固有の衛生科部隊又は要員及び方面隊の診療隊が開設・運営する治療施設をいい、「師団収容所」、「連隊収容所」等部隊名を冠して呼称する。 

収容所治療

⇒治療業務 

収容陣地(covering position)

収容部隊が、主力及び残置部隊の離脱等を容易にするため占領する陣地をいう。 

収容部隊(covering force)

主力及び残置部隊の離脱等を容易にするため、離脱経路に沿う地域の要点に収容陣地を占領し、敵の圧迫に対し、離脱する部隊を力をもって収容・掩護する部隊をいう。 

修理時間限度

整備業務において要整備品を当該整備部隊で整備を行うべきか、あるいはこれを支援又は増援の整備部隊に後送すべきかの判定基準として定めたものをいい、個々の要整備品の修理所要工数(又は「時間」)で表す。 

主眼

⇒原則 

主(局地)逆襲

  

1主逆襲(main counterattack)   

陣地に対する重大な敵の侵入を排除して陣地を奪回するため、防御部隊指揮官が行う逆襲をいう。

  

2局地逆襲(local counterattack)   

陣地を奪回するため、主戦闘地域守備部隊が行う逆襲をいう。

需給統制(supply control)

装備品等の所要量を適切に決定し、決定された所要量に基づき、必要な調達を行い、もって需給の均衡を図ることをいう。 

宿営(bivouac)

部隊の戦間力の回復及び充実を図り、じ後の行動を準備する等のために長時間休止すること及びその状態をいう。 

主(助)攻撃

1主攻撃(main attack(米))

攻撃において決定的成果を収めることを企図する正面の攻撃をいう。 

2助攻撃(supporting attack)

主攻撃に直接的に寄与するための攻撃をいう。 

主作戦(支作戦)

1主作戦(主作戦正面)

主努力を指向する作戦をいい、主作戦を実施する正面を「主作戦正面」という。

2支作戦(支作戦正面)

主作戦地域と離れた地域において、主作戦を容易にするために行う作戦をいい、支作戦を実施する正面を「支作戦正面」という。

主戦闘(前方、後方)地域

1主戦闘地域(MBA)(main battle area)

戦闘陣地を占領して、防御の主たる努力を集中する地域をいう。 

2前方地域(CFA)(covering force area)

主戦闘地域の前方の地域であり、掩護部隊その他の警戒部隊等が配置される地域をいう。「前地」ともいう。 

3後方地域(RrA)(rear area)

主戦闘地域の後方の地域であり、予備陣地、予備隊及び後方支援のための部隊・施設が配置される地域をいう。
一般に戦闘が行われる地域に対して、その後方の地域をいうことがある。 

主戦闘地域の前縁(FEBA)(forward edge of the battle area)

主戦闘地域の前端をいい、前方地域と主戦闘地域を区分し、各部隊の陣地の陣地位置、火力等の調整の便のために用いられる。通常、第一線に配置される戦闘陣地の最前線を連ねた一連の地線をいう。

出撃準備〔空挺作戦〕(marshaling)

空抵作戦部隊が、発進準備地域に入る前に出撃準備地域において行う出撃のための準備をいう。 

出動整備(出動整備部隊)

防衛出動のために、所要の部隊等を編成し、又は廃止することをいい、出動整備される部隊を「出動整備部隊」という。 

取得(procurement)

補給品を上級部隊からの迫送又は現地調達等により確保することをいい、これらに伴う諸手続を含む。 
当該組織が行動若しくは活動を行うために必要とする人員、資材、施設又は諸サービスを入手すること若しくはその手続きをいう。取得は、調達、供与受け、借受け、生産、再生、国有財産からの編入等により所有権又は使用権を得ることにより達成される。 

巡回整備

支援担当の整備部隊等が、所要の部隊等を被支援部隊等に派遣して行う整備をいう。 

純損耗数(net casualty)

某期間における人員の総損耗数から当該期間における勤務復帰者の数を除いた損耗数をいう。 

障害(obstacle)

敵の空・地・海からの機動を制限し、時間の余裕の獲得、我が火力効果の増大等を図るものをいい、障害となる物体としていう場合には「障害物」という。 

  

1地域障害(area barrier)   

作戦的見地から、比較的広正面にわたり敵の移動を抑制することをねらいとして設定する障害をいう。 

  

2局地障害(local barrier)   

戦闘的見地から、局地における敵の行動を制限することにより、火力効果の増大、部隊、施設等の直接防護を図るため設定する障害をいう。 

障害行動(barrier operation)

障害の目的を達成するため、地域又は施設等を障害化する行動をいう。 

使用基準〔弾薬〕(ACR)(ammunition consumption rate)

指揮官が指揮下部隊に対して、弾薬の使用可能量を示す基準をいい、指揮下部隊の弾薬の運用の準拠となるものである。方面隊、師団等は、通常、特定期間における1火器当たりの弾数で、爆破資 材は特定期間における部隊単位当たりの数量又はその他の単位で表し、運隊等以下では、弾種等ごと部隊単位に1日当たりの弾数若しくは戦闘当たりの弾数又はその他の単位で表す。 
⇒定数弾薬(B/L) 
⇒当座使用弾薬 

状況(situation)

任務達成に影響を及ぼす一切の諸条件及びその状態をいう。 
教育訓練の目的を達成するために、上記の諸条件等を作為したものをいうことがある。

状況図(situation map)

現在の状況及び現在までの経緯を地図、要図又はオーバーレイ上に図示したものをいう。 

状況判断(commander’s estimate of the situation)

指揮官が任務達成のため、最良の行動方針を決定することをいい、任務を基礎とし、任務達成に影響のあるあらゆる要因を論理的に考察する。 

衝撃力(shock action)

攻撃行動において、敵の戦闘組織を分断・破壊ししつつ突き進む力をいう。衝撃力の主要な要素は、機動力と入力である。 

情報(Int)(intelligence)

戦略、戦術等に必要な諸外国及び敵並びに地域に関する情報資料を処理して得た知識をいう(狭義)。 
上記の知識を獲得して使用する機能をいう(狭義)。 
上記各項目及び保全を総称する。(広義) 
我が部隊等に関する知識を含めて情報ということがある。 

情報運用(operation of intelligence)

指揮官が情報活動(狭義)を律するため、任務又は作戦構想に基づき情報要求を確立して情報組織を構成し、情報部隊を運用するとともに情報業務を運営することをいう。 

情報活動(intelligence activities)

情報(情報、保全)に関する活動の総称をいう。 
情報(狭義)に関する活動をいう。

情報業務(intelligence service)

収集努力の指向、情報資料の収集、情報資料の処理及び情報の使用をいう。 

情報収集機関(intelligence collection agency)

指揮下にある情報資料の収集に使用する部隊等をいう。情報収集機関は、資料源を開拓し、偵察、監視、審査、尋問等によって情報資料を入手し、これを指揮官に報告する。 

情報主要素(EEI)(essential elements of information(EEI))(priority intelligence requirements(PIR))

情報要求のうち、最も優先度の高いものをいう。 

情報所(Int C)(intelligence center)

防衛作戦準備の初期段階及び作戦実施間における浮動状況の場合等において指揮所が開設・推進されるまでの間設けられ、情報資料収集、処理等を実施するところをいい、通常、情報幕僚以下所要の要員が位置する。 

情報資料(information)

敵、地域等に関し、資科源から得た知識のうち評価・判定等処理の過程を経ていないものをいう。 

情報専門部隊(military lntelligence unit)

情報活動を専門任務とする部隊をいい、情報特技者を主体として編成され、通常、情報幕僚が指揮官の委任を受けて運用する。情報専門部隊には、調査隊、中央資料隊、中央地理隊、沿岸監視隊及び無人偵察機隊等がある。 
参考 情報活動を主任務とする部隊には、偵察隊、電子隊、臨時に編成する部隊等がある。 

情報組織(intelligence organization)

情報業務を遂行するための自己司令部及び指揮下部隊等の機構をいい、上級・協力・隣接部隊、航空自衛隊、海上自衛隊、関係部外機関等は資料源として取り扱い、この組織には含まない。 

情報要求(information requirements)

指揮官が任務達成のため必要とする敵及び地域に関する情報上の要求をいい、情報主要素とその他の情報要求からなる。 

正面(背面)攻撃

  

1正面攻撃(frontal attack)   

敵の全正面にわたり、持続的な圧迫を加える攻撃機動の一要領をいう。 

  

2背面(側面)攻撃(posterior attack)   

敵の側背から攻撃する攻撃機動の一要領をいう。 

擾乱〔野戦特科〕

⇒所望効果 

上陸適地(landing site)

人員、装備及び補給品を海上から楊陸するために適する海岸地域をいう。 

職務離脱者(absentee)

自己の意志により職務を放棄した者をいう。 

助攻撃

⇒主攻撃 

諸職種連合部隊(combined arms force)

通常、指揮、近接戦闘、火力戦闘、対空戦闘、戦闘支援及び後方支援の諸機能を有し、各職種部隊の能力を有機的に総合発揮できるように編成された部隊をいい、方面隊、師団、旅団、混成団、空挺団、戦闘団、戦闘群等がある。 

除染(Dcn)(decontamination)

化学的又は機械的な手段により汚染を除くことをいう。 
⇒汚染 

初度補給所要

⇒補給所要 

処分〔補給〕(disposal)

老朽化又は修理不能の装備品等を不用決定し、廃棄等を行うことをいう。また、装備品等の緊急破棄を含めていう場合がある。 

所望効果〔野戦特科〕(desired effects)

野戦特科の射撃に期待する効果をいい、制止、制圧、撃破、破壊、阻止、擾舌及びその他(発煙、照明、焼夷等)がある。
所望効果のうち主要なものについては、一般に次のとおりである。 
  

(1)制止(suppression)   

入力によって敵に脅成を与え、又は視界を制限し、あるいは心理的に混乱させて、その戦闘力の発揮を抑制するものであり、その効果は、射撃が継続している間である。 
  

(2)制圧(neutralization)   

敵部隊に損害を与え、一時的にその戦闘力の発揮を妨害するものであり、敵部隊は、人的損耗を補充し、装備を修理すれば再び活動する。 
  

(3)撃破(destruction)   

敵部隊に損害を与え、長時間活動させないようにするものである。
  

(4)破壊   

兵器、建築物等に物的損害を与え、再び使用することが不可能なまでに破壊するものである。破壊は、貫徹、爆破及び焼夷により達成される。 
  

(5)阻止   

一時的に、又は継続的に敵の移動を停止、若しくは妨害し、あるいは地点・地域の使用を妨害するものである。 
  

(6)擾乱   

敵の司令部、宿営地、集結地、補給所等重要な地域の敵が安んじて業務遂行及び休息ができないように混乱させ、敵の戦闘力と士気を低下させるものである。
  

(7)その他   

発煙、照明、焼夷等の効果を期待するものがある。 

所要補給率(RSR)(required supply rate)

部隊が支障なく作戦を継続するため、弾薬類の要求に用いる基準をいい、通常、特定期間における1火器当たりの弾数で表す。地雷・爆破資材は、特定期間における部隊単位当たりの数量又はその他の単位で表す。 

地雷原(minefield)

地雷を組織的に敷設〔設置又は散布(投射)〕した地域をいい、使用目的により自衛地雷原、陣地地雷原、地域地雷原、妨害地雷原等に分類される。 

  

1自衛地雷原(hasty protective minefield)   

各部隊及び施設の自衛のため直接防護の補助手段として使用する地雷原をいう。 

  

2陣地地雷原(deliberate protective minefield)   

陣地を敵の攻撃に対し全般的に強化し、火力効果を増大するために使用する地雷原をいう。 

  

3地域地雷原(area minefield)   

我が防御地域に対する敵の移動を抑制、あるいは敵を誘致するために使用する地雷原をいう。 

  

4妨害地雷原(disturbing minefield)   

敵を遅滞又は混乱させ、あるいは敵が地域、道路、施設等を使用することを妨げるために使用する地雷原をいう。 

資料源(source of intelligence(information)

情報資料の出所となる人、物、組織、行動、地形、現象等をいう。 

信号(通信、電子)情報

  

1信号情報(SIGINT)(signal intelligence(SIGINT))   

敵の通信電子活動から得られる戦略的な情報をいい、通信に関する情報(COMINT)及び電子に関する情報(ELINT)からなる。参考 通信電子情報活動(ES)は、有事作戦に寄与するため、敵の通信電子活動を対象として行う戦術的な情報活動をいう。 

  

2通信情報(COMINT)(communications intelligence(COMINT))   

敵の通信に関する電磁波から得られる情報をいい、戦略的に行われる通信情報活動によるもの(COMINT)と、戦術的に作戦に寄与するため行われる通信電子情報活動(ES)によるものに区分される。 

  

3電子情報(ELINT)(electronic intelligence(ELINT))   

敵のレーダ等から放射される電磁波から得られる情報をいい、戦略的に行われる電子情報活動によるもの(ELINT)と、戦術的に作戦に寄与するため行われる通信電子情報活動(ES)によるものに区分される。 

人事(personnel)

人的戦闘力の維持・増進を図る、指揮官自らが行う機能を主体とするものであって、勢力、補任、規律、士気、戦没者の取扱い、捕虜の取扱い、健康管理及び安全管理の総称をいう。 

人事センター(PAC)(personnel center)

方面隊、師団及び旅団が、作戦に際し、補任、補充業務等を迅速かつ能率的に行うとともに、それらの業務の調整・統一を図るため、必要に応じて後方指揮所に設ける施設をいう。人事センターは、方面総監部においては人事部の代表者の、師団司令部にお いては第1部の代表者の統制の下に、当該部課及び隷下部隊の人事関係者をもって構成される。 

人事組織

各級部隊の指揮組織を骨幹とし、これに補充、警務、厚生、郵便、戦没者の取扱い及び捕虜の取扱いに関する業務を行う支援組織を組み合わせて構成される組織をいう。人事組織は、兵站組織のそれぞれの支援地域を利用することが多い。

進出線(Obj L)(obiective line)

攻撃、追撃等において、部隊の進出すべき地線をいう。 

陣地(position)

戦闘のため、部隊、個人、火器等を配備し、又は配備するように準備した場所をいい、通常、所要の施設及び設備を含む。陣地は、主陣地、予備陣地及び補足陣地に区分される。 

陣地攻撃(attack on a position)

坑戦のため停止して組織的防御戦闘を準備している敵に対して行う攻撃をいう。 

陣地地雷原

⇒地雷原 

陣地の編成(organization of position)

防御、遅滞行動等のための各陣地を組織的に配置すること又はその状態をいう。 

伸長(短縮、不規)隊形

  

1伸長隊形(open column)   

車両行進において各車の距離をおおむね50メートル以上保持して行進する隊形をいう。 
  

2短縮隊形(closed formation)   

車両行進において、通常、各車の距離がおおむね50メートル以下をもって行進する隊形をいう。 
  

3不規隊形   

車両行進において平均車両密度が、通常、1キロメートル当たり6車両を超えない範囲で、単車又は少数車両ごとに距離をとって行進する隊形をいう。 

人的戦闘カ(human combat power)

有形・無形の人に関する戦闘力をいい、量及び質の両面があり、その力の発揮は、各人の自主的な活動意欲、指揮官を核心とする団結力、訓練、部隊の伝統等に影響される。 

浸透(infiltration)

小部隊ごとに分散して隠密に敵中に潜入し、敵の後方地域に集結した後、日標を奪取する攻撃機動の一要領をいう。 

真(陽動)渡河

  

1真渡河   

陽動渡河に対比する用語であり、我が真に企図する正面の渡河攻撃をいう。 
  

2陽動渡河(feint crossing)   

真渡河に対比する用語であり、真渡河を欺騙するために行う渡河攻撃をいう。 

信務(Msg)(message)

通信文の授受、暗号作業等通信文の処理を行うことをいう。 

心理戦(psychological warfare,psychological operations)

防衛目的又は特定の作戦等の目標の達成に寄与するために敵に対し計画的に宣伝その他の諸活動を行い、その戦意を破砕するとともに、敵の宣伝の影響を防止又は局限し、あるいは積極的に我が士気を高揚するために行う作戦・戦闘をいう。 

侵略(aggression,invasion)

ある国家が、他国の主権・領域・政治的独立等を直接若しくは間接の手段によって侵害しようとする行為又はその状態をいう。 

水中橋(道)(underwater bridte (submerged roadway))

敵の視察に対して、橋(道路)を秘匿するため、橋床面(路面)を水面下におく構造の橋(通路)をいう。 

数線陣地の防御

長期の阻止任務を達成するため、縦深の地域が利用でき、かつ、数次の防御に適する地形がある場合に、当初から計画的にそれぞれの地域に陣地を占領して行う防御をいう。 

制圧(neutralization)

火力等により敵部隊に殺傷威力を加えてその有効な戦闘行動を封止することをいい、通常、時間の経過とともにその効果は減少する。 

制圧〔野戦特科〕

⇒所望効果 

制限(禁止)空域(airspace restricted area)

航空機と対空射撃との相互妨書を防止し、あるいは最小限にするため、航空機の行動及び対空射撃に制限(禁止)処置を定めた空域をいい、「飛行制限(禁止)空域」及び、「射撃制限(禁止)空域に区分される。 
⇒射撃禁止空域 

制止〔野戦特科〕

⇒所望効果 

精神衛生(mental hygiene)

個人の精神的健康を維持・増進して、部隊の任務遂行に寄与する健康管理の機能をいい、その主な業務には、精神障害の発生防止、早期発見、早期治療等に関するものがある。 

整備(Maint)(maintenance)

装備品等を常に良好な状態に維持し、又は使用不能な装備品等を使用可能な状態に回復するため、点検、検査、試験、手入れ、給油、調整、修理、改造又は再生等を行う機能をいう。 

整備所

中央兵站基地から各部隊の兵站施設に至る兵站組織において、補給整備部隊等が開設・運営する整備施設をいう。特に、陸上最高司令部が中央兵站基地に設定する武器、航空、需品、化学、衛生、施設、通信等の各整備所を中央整備所と総称する。また、方面隊が設定 する整備所には、方面兵站基地に配置する上記に準ずる方面各整備所及び方面前進兵站基地に配置する各前進整備所がある。 

整備所要(maintenance requirement)

装備品等を常に良好な状態に維持し、又は使用不能な装備品等を使用可能な 状態に回復させるための必要数量・工数等をいい、通常、故障発生の時期別、 場所別、品目別及び段階区分別の数量を明らかにする。 

整備の類別

部隊等の整備に関する任務及び責任を明らかにするための区分をいい、部隊整備、野整備及び補給処整備に類別される。 
  

1部隊整備(organizational maintenance)   

使用部隊等が自ら実施する整備をいい、通常、第1段階整備(5段階区分を適用する装備品については第1段階及び第2段階整備)がこれに相当する。 
  

2野整備(field maintenance)   

野整備部隊が実施する整備をいい、通常、第2段階整備(5段階区分を適用する装備品については第3段階整備)がこれに相当する。 
  

3補給処整備(depot maintenance)   

補給統制本部、補給処が実施する整備をいい、通常、第3段階整備(5段階区分を適用する装備品については第4段階及び第5段階整備)がこれに相当する。 

整備予備(maintenance float)

被支援部隊から修理のため後送される装備品等の交換補給用として野整備段階以上の整備部隊において保有する補給品をいう。 

生物剤(Bio)(bio1ogical agent)

人員及び動植物の疾病、致死等に使用する微生物及び毒素をいい、使用対象により対人剤、対動物剤及び対植物剤に区分される。 

生物武器(生物兵器)(biological weapon)

生物剤、その他疾病媒介物又はこれを充?した砲爆弾等をいう。 

勢力(human combat power)

人員数をもって表される部隊の力をいい、他の要素とあいまって人的戦闘力を形成し、その量(数)的状態を示すものである。 
部隊全体の規模、大小をいう。 

勢力組成(OB)(order of battle)

敵の戦闘力の構成及び慣用的な部隊の運用の要領をいう。通常、編組、配置、兵力、戦法、訓練 、兵站その他の要素からなる。 

接近経路(avenue of approach)

緊要地形又は目標に至る経路をいう。接近経路には、地上接近経路、空中接近経路及び水上接近経路がある。 

接触(contact)

敵の動静を把握し、かつ、敵に対し随時戦闘力を行使できる状態をいう。 

設想(assumption)

見積り、計画等の作成に当たり、事実に基づく情報が十分得られない場合に、これを補い、じ後の思考を論理的に行うため設ける条件をいう。この条件は現 在事実ではないが、少なくとも事実に根拠を持つものであり、将来情報の入手あるいは指針が示されるに従い逐次減少する。 

接敵機動

⇒戦略機動 

前衛(側衛、後衛)

  

1前衛(advance guard)   

行進間、縦隊の前方に配置し、敵の奇襲と地上偵察に対して直接縦隊主力の前面を掩護するとともに進路上の障害及び敵の抵抗を排除して主力の前進の渋滞を防止するため、各縦隊指揮官が設ける警戒部隊をいう。 
  

2側(後)衛(flank(rear)guard)   

行進間、縦隊の側(後)方に配置し、敵の奇襲、地上偵察、妨害等に対して機動中の縦隊の側背を掩護するとともに側(後)方からの敵の攻撃に対して主力が戦闘のために必要な時間と地域を確保するため、各縦隊指揮官が設ける 警戒部隊をいう。 

戦果の拡張(exploitation)

攻撃間に収めた利益を一層拡張することをいう。追撃の段階に至るまでの戦果の拡張を特に区別して表現する必要のある場合「戦果拡張」を用いる。これらの用語は、いずれも一般用語として用い、攻撃行動の一段階を指す特定用語としては用いない。 

戦機(chance for fighting)

作戦又は戦闘の目的達成のための絶好の機会をいい、作戦・戦闘の経過中、我が戦闘力の発揮により敵撃破のため相対戦闘力の優位の獲得が期待できる状態にある好機をいう場合に多く用いられる。戦機は、利用する部隊の大小により異なる。 

戦術(tactics)

作戦・戦闘において、状況に即して任務達成に最も有利なように部隊を運用する術をいう。 

戦術機動

⇒戦略機動 

戦術行動(tactical operations)

部隊を戦術的に運用する各種の行動をいい、攻撃、防御、後退行動、遅滞行動、部隊交代等がある。 

戦術(途上)縦隊(tactical column)

  

1戦術縦隊   

接敵機動のための行進において、敵との地上接触のおそれのある場合、迅速に戦闘隊形に移ることができるよう戦術的に編成される行進縦隊をいう。 
  

2途上縦隊(route column)   

接敵機動のための行進において、敵との地上接触のおそれの少ない場合、行進速度の維持及び戦闘力の温存とを主たるねらいとして編成される行進縦隊をいう。 

戦術任務〔野戦特科、高射特科〕(tactical mission)

火力戦闘部隊の戦闘遂行の基準を与えるために付与する任務をいい、火力戦闘の責任を明らかにするものである。 
  

1直協任務(D/S)   

  

     (1)野戦特科         

     特定の第一線普通料連隊等に密接に協力する戦術任務をいう。   
      

     (2)高射特科(direct support)         

     特定の部隊に密接に協力する戦術任務をいう。   
  

2全般任務(G/S)   

  

     (1)野戦特科         

       作戦部隊の作戦・戦闘を有利に進展させるため縦深にわたる火力戦闘戦闘を行う戦術任務をいう。   
       参考「縦深にわたる火力戦闘」とは、作戦地域の全縦深において行う火力戦闘をいう。   
      

     (2)高射特科(general support)         

      作戦部隊の作戦・戦闘を有利に進展させるため作戦地域全般の対空戦闘を行う戦術任務をいう。   
  

3増援任務   

  

     (1)野戦特科         

       被増援特科部隊の要求する火力を増加する戦術任務をいう。   
      

     (2)高射特科(reinforcing)         

      被増援高射特科部隊の要求する火力を増加する戦術任務をいう。   
  

4全般任務兼増援任務(G/S & reinf)〔野戦特科〕(general support-reinforcing)   

全般任務と増援任務を併せ有する戦術任務であり、通常、全般任務を優先する。 

戦場(battlefield)

一般には、彼我の部隊あるいはその一部が戦闘を交える地域をいう。 
狭義には、任務達成に影響を及ぼす地域のうち、地上火力を骨幹とした彼我の組織的な戦闘力が直接及ぶ範囲をいう。攻撃における戦場は、敵主力の捕捉撃減の可能性を成立させることを前提として、攻撃部隊指揮官の決心の時点によつてその範囲は異なるものである。 

戦場監視(battlefield surveillance)

直接対抗している敵地上部隊を対象として行う監視をいう。 

戦場機動

⇒戦略機動 

戦場航空阻止

⇒空地作戦 

前哨(outpost)

部隊の休止、集結、宿営等に際して、敵地上部隊による奇襲、地上偵察等から、主力を掩護するために配置される警戒部隊をいう。 

前進軸(axis of advance)

指揮下部隊を一定の軸線に治う地帯を前進させようとするときに示す軸線をいい、一連の地点を通ね、あるいは道路等を基準として示す。 

前進陣地(advance position)

主戦闘地域前方の要点を過早に敵に占領されることを避け、又は主戦闘地域の前縁の欺騒等のため、主戦闘地域の前方において準備される陣地をいう。 

前進目標(march objective)

接敵機動において、敵主力との接触を図るため占領又は到達すべき地域をいう。 

戦勢(trends in tactical situation)

作戦・戦間における彼我の部隊の相対的な状態を動的にとらえたものをいう。「戦勢を支配する」とは、作戦・戦闘において敵に対して有利な状態を獲得又は保持することをいう。 

前線航空統制官(FAC)〔航空自衛隊〕(forward air controller)

通常、普通科連隊に派遣され、航空支援統制所長の指揮を受けて、また、所要に応じ航空連絡幹部の統制を受け、航空統制業務について、航空統制班を指揮し、又は陸上部隊の航空機に搭乗し、航空攻撃機等に対する目標指示、誘導等を行うとともに、空地作戦の航空に関する専門的事項について、派遣先部隊 を援助することを主たる任務とする航空機操縦幹部をいう。 

宣伝(propaganda)

直接又は間接に部隊の利益を図るため、敵の思考、感情、態度又は慣習に影響を及ぼす目的で情報、思想、主義等を流布する諸活動をいう。 

戦闘(battle,combat)

作戦の個々の場面において、戦闘力を行使する行為及びその状態をいう。 

戦闘区域(combat sector)

戦闘の実施に当たり、任務達成のために部隊に割り当てられる区域をいう。 

戦闘支援(combat support)

特有の技術及び装備をもって、近接戦闘部隊、火力戦闘部隊及び対空戦闘部隊に対し、直接その戦闘行動を支援することをいう。 

戦闘陣地(BP)(battle position)

主戦闘地域において、近接戦闘部隊が実際に占領して戦闘する陣地をいう。なお、戦闘陣地は機動防御における拠点を含むものである。 

戦闘前哨(COP)(combat outpost(COP))

防御において、敵の攻撃を警告するとともに、地上からの敵の偵察、観測射撃等に対し、我が主戦闘地域を秘匿・掩護するため、主戦闘地域守備部隊指揮官がその直接前方に配置する警戒部隊をいう。 

戦闘(非戦闘、行政)損耗

  

1戦闘損耗(battle casualty)   

戦間に起因する死亡、負傷、疾病、行方不明、捕虜等による人員の損失をいう。 
  

2非戦闘損耗(nonbattle casualty)   

戦闘行動に起因しない死亡、負傷、疾病又は行方不明等による人員の損失をいう。 
  

3行政損耗(administrative loss)   

戦闘損耗及び非戦闘損耗以外の人員の損失をいい、退職、免職、補職等任命権の行使に基づく人員の損失及び失職、職務離脱者等によるものがある。 

戦闘団(CT)(combat team)

普通科連隊、戦車連隊等を基幹とし、所要の指揮、戦闘、戦闘支援及び後方支援の能力を付与して、諸職種の機能を総合発揮できるように編成する編組部隊をいい、部隊区分を定め、又は部隊を配属する等により編成する。 

戦闘展開

⇒戦略展開 

戦闘のための前進(approach march)

接敵機動のための行進において、敵との地上接触が切迫した場合、戦闘上の考慮を重視して戦闘準備を整え、戦闘部隊の一部又は全部を散開させた戦闘隊形をもって行う行進をいう。 

全般(直接)警戒

  

1全般警戒(general security)   

各級部隊指揮官が、部隊全般又は担任区域全般のために行う警戒をいう。 
  

2直接警戒(direct security)   

各級部隊指揮官が、自隊又は特定対象に対し直接的に行う警戒をいう。 

全般支援(協力((直接支援(協力))

  

1全般支援(協力)(general support)   

特定の部隊に限定することなく部隊全般に対して行う支援(協力)をいう。 
  

2直接支援(協力)(direct support)   

特定の部隊に対して直接行う支援(協力)をいう。 

全般前哨(偵察警戒部隊)

  

1全般前哺(GOP)(general outpost)   

防御において、機動的な警戒の実施が有利でない場合に、掩護部隊め後方 に一連の警戒陣地を占領して、防御準備間の全般的な警戒に任ずる部隊をい い、通常、防御部隊指揮官が配置する。 
  

2偵察警戒部隊(R&S)(reconnaissance and security force)   

防御において、地形、部隊の編成・装備等から機動的な警戒が有利な場合に、掩護部隊の後方の地域において、防御準備間の全般的な警戒に任ずる警戒部隊をいい、通常、防御部隊指揮官が配置する。状況により、掩護部隊の任務を兼ねる場合がある。 

全般任務〔野戦特科、高射特科〕

⇒戦術任務 

全般任務兼増援任務〔野戦特科〕

⇒戦術任務 

戦法(tactics)

ある特定の戦略思想又は戦術思想を受けて開発された作戦・戦闘の具体的な実行方法をいう。 

前方支援地域(FSA)

⇒方面兵站基地 

前方整備

第一線部隊の故障装備品等を速やかに修復して、戦闘能力の低下を防止するため、支援部隊ができるだけ前方に進出して迅速な整備を実施することをいう。

前方地域

⇒主戦闘地域 

専門治療

⇒治療業務 

専用回線(personal circuit)

通信組織のうち、特定の部隊等又は特定の目的のため専用する回線をいう。 

専用線〔通信〕(exclusive lin)

防衛庁が日本電信電話株式会社(NTT)等との専用契約により取得した伝送路(混合使用を含む。)をいう。 

戦略(strategy)

一般に、戦術の上位にある概念で、主として軍事力を運用する方策及び術をいう。 
戦争の発生を抑止するため、また、侵略事態が生起した場合これを排除するため、国の防衛力を造成し、運用する方策を「防衛戦略」という。 
作戦目的を達成するため、大部隊を運用する方策を「作戦戦略」という。 

戦略(戦術、戦場、接敵)機動

  

1戦略機動(strategic maneuver)   

敵に対して、戦略的に有利な態勢を占めるために行う機動をいい、陸上最高司令部が計画する全国的規模の部隊移動をもって行う機動と、方面隊が自己の作戦区域内で行う機動とがある。 
  

2戦術機動(tactical maneuver)   

敵に対して、戦術的に有利な態勢を占めるために行う機動をいい、戦場機動と接敵機動がある。 
    

     (1)戦場機動(battlefield maneuver)       

     戦場において、敵を打撃する態勢を有利にするために行う機動をいう。   
    

     (2)接敵機動(movement to contact)       

     戦闘する態勢を有利にするために戦闘に先立って行う機動をいう。   

戦略情報(strategic intelligence)

国家安全保障戦略、防衛戦略等に使用する情報をいい、主として国家安全保障戦略及び防衛戦略の決定者が使用する。 

戦略(作戦、戦闘)展開

  

1戦略展開(strategic deployment)   

陸上最高司令部の統制下において、戦略的目的のため、戦略機動をもって基礎配置を占める行動及び状態をいう。
  

2作戦展開(operational deployment)   

方面隊が、作戦を遂行するため、戦略機動をもって基礎配置を占める行動及び状態をいう。
  

3戦闘展開(deployment for combat)   

部隊が、接敵機動をもって戦闘を開始する態勢を占める行動及び状態をいう。

増援

部隊を増加し、戦闘力を強化することをいう。 
協力又は支援の能力を増加することをいう。 
  

(1)施設科部隊   

作業の分担又は配属によることなく、被増援施設科部隊の作業力を増大するため付与する任務をいう。
  

(2)整備部隊(reinforcement)   

被増援の整備部隊の過剰作業を担任処理させるため付与する整備任務をいう。

増援任務〔野戦特科、高射特科〕

⇒戦術任務 

増加給食

戦闘中又は重作業等に従事する部隊に対し、糧食の定量を超えて支給することをいう。これは、通常、毎食の定量の増加又は食事の回数の増加によって行う。 

増加予備

戦況その他の状況により、定数以外に増加保有を認可された予備の補給品をいう。 

増強(augmentation)

ある部隊に対し、他の部隊を配属又は協力・支援させることにより、その部隊の能力を強化することをいう。 

遭遇戦(meeting engagement)

彼我共に前進中に遭過して生起する浮動状況における攻撃をいう。我が全く予期することなく敵と遭遇する場合を「不期遭遇戦」という。 

相互運用性〔共同作戦〕(interoperability)

一般には、戦術、装備、後方支援等に関し、共通性、両用性を確保することをいう。参考 より具体的には、次の事項等を確保することにより、効果的な相互支援が可能となる能力をいう。 
作戦に関する教義・手順等の共通性 
装備品等に関する共通性、互換性 
補給、輸送、整備等に関する基準、手続等の共通性、互換性 
その他、情報、通信面に関する共通性、互換性 

操作基準

⇒保有基準 

掃討(mopping up,sweeping)

組織的抵抗能力を喪失し、又は喪失しつつある敵の抵抗能力を全面的に奪うことをいう。 

装備品(equipment)

部隊が基本的な任務を遂行するために装備する火器、車両、誘導武器、航空機、通信機、機械・器具等の総称をいい、編制表等によってその定数が定められている。 

装備品等

装備品及び弾薬、燃料、糧食、被服、部品等を総称していう。 

衛側

⇒前衛 

阻止〔野戦特科〕

⇒所望効果 

阻絶

倒木、拒馬、鉄条網等の障害物をもって交通路を閉塞することをいう。 

続行部隊〔機甲部隊〕

機甲部隊の攻撃において、機を失せず第一線部隊の任務を継承して、結節なく攻撃の衝撃力を維持・増進することを主たるねらいとして第一線部隊に続行する部隊をいう。 

損害賠償(compensation for damage)

債務不履行あるいは不法行為によって、特定人に財産上の損害を与えた場合に、その損害を補うことをいう。 

損失補償

適法な公権力の行使によって発生した損失を補うことをいう。
参考  損害賠償と損失補償との根本的な違いは、損害の発生原因が違法行為(損害賠償)か、適法行為(損失補償)かである。  

損失補償の例

海上における対空射撃訓練実施のため、付近の漁民が出漁不能となることによって受ける損失 

第一線救護

⇒治療業務 

対機甲火カ

戦車、歩兵戦闘車、装甲専等に対して有効な火力をいう。 

対機甲戦闘(antiarmor warfare)

戦車、歩兵戦闘車、装甲車等を主体とする敵に対する戦闘をいう。 

対空掩護

⇒対空戦 

対空警告(対空警報)

敵の航空攻撃等に関する警告(警報)を行うことをいう。 

1対空警告

対空警戒及び対応行動のため、関係部隊に経空脅成の存在を知らせることをいう。 

2対空警報(air defense warning)

敵の航空攻撃等の切迫の度に応じて、通切な対応行動をとらせるための命令をいう。 

対空情報(antiaircraft(air defense)intelligence)

敵の空中からの脅成に関する情報資料を処理して得た知識をいい、敵航空部隊等に関する情報と空中目標情報とに大別される。 

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