弁済供託
契約上の金銭債務について債務者が弁済供託をした後に、被供託者の意思表示により当該契約が解除された場合には、供託者は、供託原因消滅を理由として供託金を取り戻すことができる。(供託規22条2項3号)
金銭債権の一部に対して差押えがされ、第三債務者が当該金銭債権の全額に相当する金銭を供託している(民執156条1項)ときは、供託金の払渡しは執行裁判所の配当等の実施としての支払委託に基づいてなされる。(民執166条1項1号、昭55.9.6民四5333号)よって差押債権者がその取立権に基づき直接払渡請求をすることはできない。
問 題
供託者は、供託物の還付請求権が差し押さえられた後は、供託物の取戻しを請求することができない。
供託者は、供託物の還付請求権が差し押さえられた後は、供託物の取戻しを請求することができない。
正解 ×
供託物の還付請求権及び取戻請求権は、権利の主体が異なる別個独立の請求権であるから、一方の権利の変動(処分)は、他方に何ら影響を及ぼさない(最判昭37.7.13)。したがって、還付請求権が差し押さえられても取戻請求権の行使が制限されることはない。
問 題
債権者が供託を受諾しないことを理由として、供託者が供託物を取り戻すときは取戻しをする権利を有することを証する書面を添付することを要しない。
債権者が供託を受諾しないことを理由として、供託者が供託物を取り戻すときは取戻しをする権利を有することを証する書面を添付することを要しない。
正解 ×
取戻請求の際に供託物払渡請求書には、取戻しをする権利を有することを証する書面を添付しなければならないが、供託書副本の記載又は副本ファイルの記録により、取戻しをする権利を有することが明らかである場合は除かれる(供託規25条1項)。